AIトーク検定で捉える
都知事選2024

2016・2020・2024年の都知事選候補者 全86名の政見放送をAIで分析し、得票数の高い候補者の傾向や、今年の候補者の特徴を解説

【調査機関:コグニティより】

ここではあくまでも、技術を使って定量化した「思考」「トーク」のパターンについて分析しています。
・正しいか正しくないか
・良いか悪いか
・好き嫌い
・政見放送以外の要素
については考慮しないデータとして提示しており、この数値的な傾向を持って「好き嫌い」「良い悪い」を”ご自身の意思決定”として下していただくためのデータ共有となります。

ここでは、過去データを前提に分析しているからこそ、「旧来の政治家らしい票が取れる」ことをベースに分析結果を出しています。投票者の皆様の判断として、それを選ぶ選ばないのあなたの判断です。

今までは直感的・感覚的・先入観での判断だった一票、数値で比較することで、一つ新しい観点を取り入れてみませんか?

分析概要

2016〜2024年の3回の都知事選政見放送を対象としました

対象政見放送数
0
対象分析分数
0
対象分析文字数
0

各候補者の主張一覧

各候補者の政見放送を分析し、話された主張のうちで、根拠などが付属し説明量の多かった主張をランキング形式で列挙しています。

48名分のデータが表示されています。
政見放送を実施していない・政見放送がネット上で見つからない候補者については対象としていません。

【分析手法】

特許技術CogStructure を使って、話された内容を定量化し、主張を抽出。各主張に対する説明情報を、論理性のあるものと繰り返し・具体化された情報に分類。過去蓄積された60,000件のトークデータから導き出された「人が理解・納得しやすい主張構成」から逆算して、対象となる主張を点数化し、そのランキング順に主張を提示したもの。

AIデータで見る、各候補者の特徴

下記5つの観点で分析結果を掲示しています

話すスピードは?情報量が違う!?
「えー、あのー」フィラーの数は?
あれ、それ、指示語が多すぎて伝わらない!?
「~~と思いますよね?」問いかけ手法
説明が足りないのでは?スピーチ構成の違い

外れ値スピーチは誰!?

話すスピードは?情報量が違う!

このチャートは、一人ひとりの政見放送について 1分間に文字数換算でどの程度話されたかを示しています。

一般的に、アナウンサーがニュースを読む速度は300〜330文字で検出されています。今回の平均値として、322文字となっているため、非常に聞き取りやすいスピードで話す方が多いと言えます。

情報を詰め込んでいた・早口だったのは 後藤輝樹氏、AIメイヤー氏。一般的にビジネス会話では、1分間に400文字を超えることも珍しくはないですが、それと比べても非常に早口・詰め込んでいると言えるでしょう。

ゆったり話していた・情報量が少なかったのは、桑島氏、内海氏、しんどう氏、河合氏、木宮氏の順でした。

「えー、あのー」フィラーの数は?

このチャートは、一人ひとりの政見放送について 「えーっと」「あのー」などのフィラー(不要語・クセ)を何回口にしたかを示しています。

一般的に政治家のスピーチ・演説では、ほとんどフィラーが検出されることはありません。

今回の結果を見ても、政治家歴の長い人ほどほとんど検出されていないことがよく分かるでしょう。

今回一番多く検出されたのは、清水氏でした。

あれ、それ、指示語が多すぎて伝わらない!?

このチャートは、一人ひとりの政見放送について 「あれ」「それ」などの指示語・こそあど言葉を何回口にしたかを示しています。

こそあど言葉の多用は「フレンドリーさ」を醸し出すスキルでもあり、一概に悪いわけではありませんが、多すぎると内容が伝わっていない可能性が高まります。

今回は、桜井氏・田母神氏が多用していることが検出されました。

逆に検出が少なかったのは、津村氏、内野氏、桑島氏、福本氏です。もともと曲が少ない、もしくは完璧に覚えて話していた可能性があります。

「~~と思いますよね?」問いかけ手法

このチャートは、一人ひとりの政見放送内で、聞き手に問いかけを行う「質問の回数」を検出しています。

過去の多くの政治家のスピーチ・演説では、問いかけ手法が使われることは多くありませんでしたが、2022年の参議院選挙では「歴史の浅い党」の候補者ほど多用する傾向が見られました。

今回の検出結果としても、政治家歴の長い候補者からはあまり検出されず、若手から多く出る傾向が見られ、これは昨今のトレンドとも言えそうです。

今回最大数の問いかけが検出されたのは、内野氏。

しかし内野氏以外でも、山田氏や、木村市、ふなはし氏、横山氏など、問いかけを多用する例が多く見られました。

説明が足りないのでは?スピーチ構成の違い

このチャートは、一人ひとりの政見放送内の話題の構成を検出しています。

1つの政見放送内で話された情報の中で、提案など主な話題を①、根拠として示されたデータや数値などを②、根拠として示されたが客観的ではないが背景理由などを語っているものを③、一度出た話題について具体的に言い直したものもしくは事例などで繰り返したことは④、その他本論と無関係と思われる挨拶などは⑤として検出しています。

政治家の演説・スピーチの多くは、①が少なく④で非常に多くの割合を占めることがわかっており、今回の候補者を見ても、政治家歴の長い候補者は①が少ない傾向にあります。

今回①が少なく検出されたのは、田母神氏・竹本氏で、全体の10%以下となりました。

逆に、しんどう氏・草尾氏・三輪氏は①の割合が非常に多く、聞き手にとっては様々な話題が出されたように聞こえ、発散傾向のスピーチであった可能性が高いでしょう。

外れ値スピーチは誰!?

このチャートは、一人ひとりの政見放送内の様々なパラメータを数値化し、全員の平均値と比較したときに、どのスピーチが一番全体平均から乖離しているかを示しています。

一番、全体平均から乖離していたのは、内野氏。
次点としては、石丸伸二氏が抽出されました。

高得票数傾向のある候補者は誰か?

過去2回のデータから、最大得票数3,661,371(2020年小池ゆり子氏)を満点とし、各候補者のトーク特徴が得票数に相関する項目を抽出。
過去データの特徴を数式化することで、2024年候補者の政見放送を採点。

類似度1位は、石丸伸二氏

過去の高得票者の政見放送と比較して、今年の政見放送で一番近い特徴を持っていたのは、石丸伸二氏。

ただし、特徴乖離として11%の開きがある。2020年の山本太郎氏のトーク特徴は、2020年の小池ゆり子氏と乖離度7%。

小池氏、昨年と異なる傾向

最大得票数であった小池ゆり子氏の今年のトーク特徴は、前回と大きく異なり、全体特徴として3割の差があった。
特に、2020年と比較して話題の数が増え、主張の分散が見られている。

得票率の高い政治スピーチは、主張の数が少ないことが特徴であることを考えると、今年の主張は「弱い」と分析できる。

二宮氏、AIメイヤー氏、草尾氏、三輪氏の弱い主張

二宮氏、AIメイヤー氏、草尾氏、三輪氏の4名は、過去最低得票数であった2020年の押越氏よりも、得票特性が低いという結果である。

四氏の共通点は、1つの政見放送中に盛り込む主張が話量中の4割を越えるほど多く、一つの主張に対する深堀りが少ないことであった。

なお、今回一番主張の割合が少ないのは田母神氏の9%。

伝統的?今っぽい?時系列トレンド

この12年の変化

3期12年の間で、政見スピーチのトレンドはどう変わったか?
大きな変化は以下の通り。

  • 「問いかけ」が増えた
  • 問いかけへの自答を長い文章で返す
  • 1スピーチに盛り込むトピックが増えた
  • 感情に訴える表現が増えた(ただ詳細説明するのではない)


聞き手への「問いかけ」テクニックの多用

毎回、聞き手への「問いかけ」としての質問数が増加しているのが特徴。

それだけでなく、問いかけた内容への自答である回答「文字数」も増えている傾向にあり、問いかけと回答を詳細にすることで、利き手側が考える必要なく受け入れられる手法を用いていることがわかる。

トークスピードと情報量

毎回、1分間に詰め込む情報量が増えていることがわかる。YouTubeや配信サイトでの「倍速再生」に慣れている若者の常識に沿った結果とも言えそうだ。

たくさんのトピック・説明は浅く

3期の情報構成を調査したところ、2024年になるにつれて、下記のことが言える。

  • 同じ時間内でも、たくさんの話題を詰め込んでいる(起点話題割合の増加)
  • 説明が不足していてもよい(掘り下げのない起点話題の割合)
  • 感情に訴える(理由・ニーズ)営業的主張が増えている
一番伝統的なスピーチは、石丸伸二氏

2016年から2024年までのトレンドを数値化・数式化し、2024年に多くあるトーク構成であったか、そうでなかったかを判定。

最も2024年的な政見放送は、三輪氏。
最も旧来的な政見放送は、石丸伸二氏となった。2024年に収録されたものであるにかかわらず、過去2016・2020年を通しても最も「伝統的」な構成となっていることがわかる。

コグニティは、2022年の参議院選挙でも
候補者・政党別のトーク検定を実施しました。

今後も、投票を通したひとりひとりの政治参加を後押しするために、
「バイアスのない」情報提供として各候補者の主張を分析し、
調査結果を公表してまいります。

※「技術の力で、思考バイアスなき社会を。」はコグニティのミッションであり、ビジネス シーンや女性活躍・地方創生を目指すにあたっての「バイアスのない」判断を促すための ツール・サービスを提供しています。

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