DAY3
政見放送
今回の分析
今回紹介するデータについて、分析内容ごとに紹介します。クリックすると後方の詳細箇所にジャンプします。
今回の分析対象
各政党・候補者公式サイトに掲載されていた「政見放送」について分析しています。
分析開始時に、各政党のYouTubeサイトに置かれていた動画のみを対象としているため、件数が多くないことは了承ください。
今回の分析結果
各政見放送の分析による、主な主張は以下の通りです。
政党比較
政見放送での
各政党の特徴
ここでは各政党の「政見放送」について、論じ方の特徴を分析しています。
「情報量」としては、共産党のものだけ他の政党の17分尺ではなかったため、短い内容です。それにも関わらず、「問いかけの数」が圧倒的に多いのは特徴的です。
今回、一番特徴的だったのが「主張に対する説明量」の差です。ほとんど同じ分数での説明の中、一つの主張に対してもっとも説明が多かったのは公明党ですが、ロジックはありませんでした。
比べて
自民党は、客観的情報を根拠として主張していることが特徴的です。
れいわ新選組は、感情に訴える表現が多いことがわかります。
全体の「情報構成比率」は、自民党が客観指標を用い、 共産党が主観主張をしたことに特徴があります。公明党は、全体的にも根拠がありませんでした。
不要語としての「フィラー」は、自民党だけ存在しました。その他の正統は、練習・編集をしっかり実施しているものと考えられます。
「主な主張ランキング」が特徴的です。図中のピンク背景の箇所が、政策の論点です。
・物価対策
・外交と安全保障の両輪
・農産物の生産コストを引き下げ、物価上昇を抑制
・給料を上げる
・政治のあり方を変える
<検出なし>
・憲法9条を生かした東アジアの平和外交
具体的な政策が上位に入ったのは、自民党が一番でした。 れいわ新選組は「投票してほしい」という主張以外の具体的な施策がランキングには入りませんでした。
上記を見て、短い時間の中で主張された内容を確認ください。
コグニティの通常分析について〜COGシリーズ〜
COGシリーズでの全体総合分析・勝ちパターン分析を使うと、トークの全体傾向や、相違点を確認することができます。
会社全体の方向性を把握・定めたい場合に活用いただいております。
自民党
・物価対策
・外交と安全保障
・経済成長
・デジタル田園都市
自民党の主張のうち、一番説明された主張は「物価対策」でした。原因となる事象の説明から、他国との比較ではまだ抑えられていることなど 現在の状況を列挙し、5.5兆円予備費の活用を主張しています。またその資金の使い方として、 地域特性に応じて1兆円の地方創生臨時交付金を用いることを主張しました。
逆に、十分な根拠説明がなされていなかった話題は「防災力の進化」についてです。
他の政見放送と比較して、「えー」というフィラーが多く、気になる人は出たかもしれません。
コグニティの通常分析について〜COGシリーズ〜
COGシリーズで扱うビジネスコミュニケーションの分析でも、表紙の「聴衆に印象を残せたランキング」や「各話題の説明量・内容」を確認することで、どの話題の説明が十分・不十分であったかを確認し、事後フォローするために使われています。
公明党
・農産物価格の上昇
・3つの挑戦
公明党の主張のうち、一番説明された主張は「農産物価格の上昇」でした。しかし、いずれの話題も根拠が検出されず、聞き手にとって印象が薄いでしょう。
3つの挑戦については、「経済成長」「社会保障」「平和と安全」
について話されていますが、印象に残せるほどの説明になっていません。
一般的なトークスピードと比べると、ゆったりすぎるくらいなので、若者にとっては情報不足と感じられる内容になっているかもしれません。
コグニティの通常分析について〜COGシリーズ〜
COGシリーズで扱うビジネスコミュニケーションの分析でも、「理由は3つあります」や「これから5つのポイントを説明します」などとまとめてから話す手法はよく見られますが、実はその「いくつ」ということは印象に残っても、中身が何だったかの印象を逆に残せなくなる傾向があることも分かっています。
国民民主党
・給料を上げる
・政治を変える
・教育/科学技術予算倍増
国民民主党の主張のうち、一番説明された主張は「給料を上げる」でした。10万円の現金給付・消費税引き下げ・ガソリン減税などの具体情報はありますが、それらの実施に関する強い根拠は検出されませんでした。
政治を変えていきたい・対決より解決というキャッチフレーズは強いですが、それについても具体的説明が乏しく説得力が薄いでしょう。
日本共産党
・東アジア外交
・強い経済のための5つの提案
日本共産党の主張は「日本共産党に投票してくれ」というものでした。
よく説明された主張の中では、「東アジア外交」に関する話題ですが、根拠が語られていないため、聞き手にとって実効性の判断がつけにくくなっています。経済対策として5つの提案(消費税減税・賃金引き上げ・社会保障・再生エネルギー・ジェンダー平等)
を挙げていますが、これも非常に短文で理解させるには不十分です。
動画自体の長さが短いとしても、分数の割に語られている内容が少ないため、情報量が足りません。(※日本共産党の公式YouTubeに置かれていた政見放送は、NHK等で流れていたものとは別のもので、非常に短い動画となっています)
特徴的なことの一つに、語りかけが非常に多いことがあります。課題間の提示をしていますが、その直後すぐに解を提示することで、情報が短く切り替わり、わかりにくくしているかもしれません。
れいわ新選組
・消費税減税
れいわ新選組の主な主張は全て「れいわに投票してくれ」というものでした。
はっきりとしたメッセージではありますが、政見放送として何を実行する政党なのかは伝わらない内容となっています。
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