DAY2

選挙公約の詳細

今回の分析

今回紹介するデータについて、分析内容ごとに紹介します。クリックすると後方の詳細箇所にジャンプします。

今回の分析対象

各政党・候補者公式サイト等のYouTube動画を対象に分析しています。(DAY1と同じものを対象としています)

今回の分析結果

各主張のロジックを分析した、各政党の公約に関する特徴は以下の通りです。

ここで検出されている主張根拠は、短時間の説明で現れたものが対象となっており、各政党の全体施策について語られたものではありません。しかしながら、公式に提示された主張として、有権者に対する十分な説明をしているか、という観点で判断ください。

  • 自民党: 施策に対する具体的根拠提示無し、質疑への説明も不足。
  • 公明党: 聞き取りやすいが巻き込み力低く、「前に進ませる」という施策への客観的根拠なし。
  • 立憲民主党: 話題も多く、説明も多いが、施策に対する具体的根拠提示無し。
  • 日本維新の会: 出生率低下への懸念を材料にするも、施策へのロジックが弱い。
  • 国民民主党: 【ロジックあり】防衛・原発に対する質疑への回答根拠はあるが、公約の説明弱い。
  • 日本共産党: 【ロジックあり】聞き手の巻き込み力低いが、高齢化社会への具体的施策と根拠あり。
  • れいわ新選組: 【ロジックあり】紙芝居的展開で誘導し、消費税・食糧生産に関する主張に根拠。
  • 社民党: 平和に関する主張のみ、曖昧な問いかけで具体性無し。

情報量(詰め込み)

時間あたりの
情報詰め込み度合い

ここでは各政党の「選挙公約」について話した、会見や該当演説動画について、そのトーク時間と、トークに含まれている情報量の関係について分析をしています。

一般的に「聞きやすい」と言われている1分300文字と比較して、早口なのか、ゆったりすぎなのか、その情報量によって判定しており、下方にはその情報を話すのであれば「何分程度の時間を使うべきだったか」についても表現しています。

ほとんどの党が「少し詰め込みすぎ」である中、「適切な情報量」と唯一判定されたのが公明党でした。一般的に聞き取りやすいペースで話がなされています。

時間の割に情報量が少ないと判定されたのが社民党でした。

これら2政党は、もう少し情報量を増やしてもいいかもしれません。

コグニティの通常分析について〜COGシリーズ〜

COGシリーズで分析している多くのシーンは、ビジネスでのコミュニケーションとなります。その際、この情報量(詰め込み度合い)については、多くの場合は「詰め込みすぎ」と判別されています。
ビジネスシーンでは、少し早口くらいが一般的となります。

公明党の情報量

問いかけ

聞き手に
当事者意識を与える

ここでは各動画の中で、問いかけや呼びかけ文を使って、聞き手に当事者意識を持たせるための手法をどのくらい使っているか、そしてその質について分析しています。

問いかけを多用しているのは、れいわ新選組だったとDAY1でも解説しました。このトークの特徴は、問いかけ回数が多いだけでなく、プレゼンの前半からこの手法を使っていること。さらに、CLOSED質問から始めることで、聞き手も思考しやすいため、問いかけを効果的にしています。
途中からOPEN質問が連続しています。
中身を見てみますと、「次に何が起こるか」を問いかけることで、ストーリー調の展開を意図的に組み立てていることがわかります。

対象的なのは、
公明党 共産党です。

この2党はプレゼン後半のみ、問いかけを使っています。多くの場合、後半の問いかけは「話が乗ってきたから」出せた問いかけであるか、最後の念押しとして出したと考えられます。

もう一点、この2党+国民民主党の特徴として言えるのは、「問いかけ文が長い」ということです。一つの問いかけの平均文字数は、70.1文字・61.4文字・65.9文字となっています。それと比べて、 れいわ新選組は、21.6文字でした。つまり、先の3党は複雑なことを問いかけすぎている可能性があります。

その一方、社民党は19.0語と非常にシンプルです。しかしここで通常見られない現象がありました。「OPEN質問が多い」ということです。一般的に、自然に出てくる質問はCLOSED質問が多くなります傾向にあります。OPEN質問が多くなるというのは不自然です。
中身を見てみますと、「どうですか?」という同意を求めつつも、具体性のない曖昧な質問が多いことがわかります。

コグニティの通常分析について〜COGシリーズ〜

COGシリーズで扱うビジネスコミュニケーションの分析では、ヒアリングテクニックとして自分からの質問は重視されます。
まずはCLOSED質問で、考えやすい・答えやすい質問から始め、本質に迫るOPEN質問に切り替えていくのはよくある上手い手法です。
またビジネス商談では、40語程度の質問文を用いられることが多く、仮設や条件を踏まえてイメージしやすい質問、かつ、上長すぎて何を聞かれていたかわからないような質問にならない工夫がされています。

れいわ新選組の問いかけ

ロジック【特許技術】

主張に対する
根拠提示

ここでは各動画の中で話された主なトピックに対して、直接的に根拠を持って説明された箇所を抜き出しています。
濃いオレンジが主な主張、そのブロックの下に並んでいるのが、主張をサポートする説明要素です。

客観的・主観的な根拠を補足しながら主張された話題は、実践可能性や説得力のある主張と捉えられます。各政党が何を重視しているか確認しましょう。

ここではDAY1の分析上、最もロジカルな表現が多かった国民民主党 の主張から見ていきます。根拠が付いていた話題のブロックを取り出したのが図です。
国民民主党は、質疑に対して根拠を提示しているようです。

■1つ目のブロック「打撃力・反撃力の必要性」について、兵器の技術力の進化という客観根拠に基づいた必要性

■2つ目のブロック「安全基準を満たした上で原発を動かす」という主張について、自給率を高めるニーズが高まっていると具体的なデータはないが主観的に理由付け

■3つ目のブロック「原発を新型炉に変えていく必要性」について、政府方針が慎重姿勢・計画に入っていないことに問題視しているという理由 で主張

バランス良く根拠は提示されているものの、質疑以前のプレゼン部分での主張に根拠が示されない点は、残念なところです。

続いて根拠ある主張が多かったのが、日本維新の会  れいわ新選組 となります。

日本維新の会の主張根拠は以下の通りです。

■「与党の議席が減る理由」について
岸田内閣が無策であるという根拠

■「自民党と勝負できる」理由として
政策能力がある ということ

■「無償出産に取り組む」理由として
出生率の低下を懸念しているという理由

残念ながら、最初の2つの根拠は政策に対するものではありませんでした。

れいわ新選組の主張根拠は以下の通りです。

■「消費税廃止」について、
不景気で消費税は上げてはいけない・経済政策の誤りであるという理由付け

■「労働力移転」について、
食糧生産による生活の安定 が背景にあることを主張

大政党と戦うために必要なので「力を貸してほしい」という主張

残念ながら最後の1つは、政策に対する主張根拠ではありません。

公明党は、「苦しみを脱却して前に進みたい」という主張について、 責任を持って実現できるという理由付け。あまり客観的ではありません。

社民党は、「戦争を止める」という主張について、 武力で平和が作れない・民主主義の形骸化が戦争を引き起こすという理由付け。こちらは直接的な施策根拠となっていません。

共産党は、「積立金の取り崩し」という主張について、 これまでの投機的な運用が問題であったという理由付けで、この中では具体的な施策と根拠が示されているようです。

残念ながら、自民党 立憲民主党からは根拠のある主張が検出されませんでした。

コグニティの通常分析について〜COGシリーズ〜

COGシリーズでは、各ブロックで示された説明量と種類を把握することで、論理性の低い話題に補足をするなど、偏りのある主張を改善するために使われます。

国民民主党ロジック

説明不足情報【特許技術】

説明の不十分な
論点とは?

前分析項目の「根拠のある主張」に対して、ここでは根拠もなければ補足説明もない、情報量として説明不足である話題について取り上げます。

ここで示されているのは、自民党の説明不足な主張一覧です。

政策の内容・実行力への自信を主張しているが、具体的な説明・根拠なし
将来に向けての責任を持ちたいとしているが、具体的な説明・根拠なし
公約は合意を得たものであるという主張に対して、具体的な経緯説明なし
婚姻前姓が使えない箇所をなくす取り組み について、深堀言及なし
氏制度については論点整理をしたという発言に対し、具体的説明無し

3番目以降は質疑への対応のため、サラッと終わっている印象で、この点は国民民主党 と真逆の対応と言えます。全体として、話題数が多すぎるわけではない中、非常に端的な説明に終止しているようです。

コグニティの通常分析について〜COGシリーズ〜

COGシリーズでは、各トークの説明量を確認することで、聞き手にとって十分な理解を得られる情報提供になっているかを確認できます。

自民党説明不足論点
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